2010年もあと少し
2010年12月16日
今年も残りあと僅かとなりました。
この一年を象徴する漢字も「暑」に決まったように、猛暑・残暑が終わった途端、あっという間に師走に突入した感じがします。我が家の玄関に置いてあるボロボロになった虫網が今年の長かった夏を物語っています。当コラムも、夏に因んだ話題が最後のままで、秋を飛び越え今年最後の更新となってしまいました。
師走の夕暮れ時は、何となく寂しい気持ちとなり、つい今年一年を自問自答してしまいます。これでベストだったと誇れる事、これで良かったのかな?と考え直す事、もう少し頑張ればと反省する事、思い起こせば今年も様々な出来事がありました。
先日の情報番組の中で、「あなたの今年一年を象徴する漢字は?」とありました。
自分もつい考え込んだ結果、「守」が思い浮かびました。
獣医師として人間と動物の幸せな暮らしを守る、一家の主として家族の暮らしを守る、親として子供の成長を見守る、それなりの年齢にもなったので自らの健康も守る、自分の決意を守る、様々なことを守っていたら今年もあと少しとなっていました。
但し、診療に関しては守りの態勢に入ってはいけないと考えています。というのも近年では様々な素因が絡み合った疾患が多くなり、治療前の鑑別診断が重要なポイントになる症例が多くなりました。すんなりと事が進む場合もあれば、なかなか答えと結果が出ない場合もあります。種別によっても疑ってみなければならない疾患や診療において注意を払う事項が年々、判明・増加しています。新しい概念、新しい検査法、新しい治療法、新しい予防法、獣医療も年々進歩し続けています。もちろん、診断がついても有効な治療法のない疾患も未だに沢山あります。常に向上心を持って新しい事を吸収し、提案出来るような積極的な姿勢も大切であると考えています。それと共に、診察→診断→治療、の流れにおいてインフォームドコンセントは今後益々重要なものとなりそうです。僕自身も、その診断には何が必要か、治療においてどのような選択肢があるのか、メリットとデメリットは、しっかりとした説明と同意を大切にし、飼い主さんと距離間の少ない獣医師であり続けたい考えています。そんなこんなで、来年も今年以上の良い年と出来るよう、攻守一体の態勢で日々過ごし、人間的にも成長していきたいと思います。
皆さんにとっての今年を象徴する漢字は何でしたか?楽しいクリスマス、そして良い新年をお迎えできる様、心よりお祈りいたします。
そが動物病院 曽我 望