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コラム

お蔭様で

2010年5月14日

5月に入り、ようやく春を実感できる陽気となりました。
というよりも春を通り越して初夏を思わせる気温の日さえあります。
今年の4月は寒いうえ雨の日が多く、本来冬場に多いとされる泌尿器疾患が多くみられました。これも異常気象の影響でしょうか? そこで、今回は簡単に犬・猫の泌尿器疾患のお話をします。
泌尿器疾患は本来寒い時期に多発する傾向にありますが、近年では室内飼いの増加に伴うエアコンでの快適な温度管理下などにより、夏場での発生も増加している傾向にあります。
猫では、猫下部尿路疾患と呼ばれ下部尿路が閉塞して排尿障害を起こす状態が多く見られます。原因として最も多いのが、尿中に結石の基となる結晶・栓子が形成されることです。特に雄猫では尿道が細く長い為、結晶・栓子による尿道閉塞のリスクが高くなります。そうなった場合には早い段階で処置してあげないと尿毒症により死亡する確立が高くなります。稀ですが、尿道閉塞により膀胱破裂を起こして来院されたケースも最近ありました。猫の尿石症は、肥満で運動不足の室内飼いの猫に多く見られます。猫の尿石症の早期発見には尿検査が有効です。その他、原因不明の突発性膀胱炎も猫では多くみられます。

そが動物病院:犬の膀胱結石
そが動物病院:犬の膀胱結石

犬では、細菌性の膀胱炎と尿石が多く見られます。尿石の種類には様々なものがあり、中にはレントゲン透過性(レントゲンには写らない)の種類のものや尿検査でも分からない種類のものもあります。犬の泌尿器疾患の診断において超音波検査は極めて有効なものとなります。頻尿、血尿、排尿困難は尿路疾患のサインであり、肉眼的な血尿に関しては排尿時の最後だけに見られる場合もあるので普段からよく観察するよう心掛けましょう。

写真は、先日摘出した、犬の膀胱結石2症例のものです。
実に様々な形態の結石が存在します。

話はガラリと変りますが、お蔭様でもうすぐ開業から10年が過ぎ去ろうとしています。
あっという間の10年間でしたが、思い起こせば様々な症例、出来事、苦楽があり、多くの出会いや別れがありました。どれもこれも貴重な自分史として今現在の支えとなっています。またこの頃、初診時には若かった犬や猫達がシニア世代となり、少し寂しい気持ちになることがあります。
これまでに様々な経験と実績を積ませてくれた動物達に感謝の気持ちで一杯です。
そんな彼等・彼女等の為にも、これからも多くのことを勉強し、何事においても進歩し続けていけたらなと考えています。
最後に、いつも笑顔で僕を支えてくれる奥さんと、僕の活力源であり、一番の遊び相手になってくれる子供達に感謝です。

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