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コラム

異嗜行動について

2009年6月3日

異嗜行動とは、本来食物と思われない物体を摂食する行動を示します。分かり易く言うと何でも口にしてしまう事です。良く見られる食糞も異嗜の一種です。他にも石、おもちゃ、種、タバコ、靴下、更には竹串など、口に入るものは何でも飲み込んでしまう犬は意外と多くみられます。心当たりのある飼い主さんも多いことでしょう。異嗜行動は1歳未満の幼犬に特に多くみられる傾向にあります。成犬の4倍の発生率ともいわれています。
原因は、ストレス、飼い主の関心を引く為、内部寄生虫、食餌量不足、栄養障害など、色々といわれていますが、実のところは全く不明です。予防としても迂闊な物は犬の周りに置かない、散歩中にも良く監視する事が重要となります。もしも異物を飲み込んだ場合には、その内容によって対処の方法が変わってきます。故に速やかにかかりつけの獣医さんに相談しましょう。猫の場合、異物の飲み込みとしては紐や糸が多くみられます。これは遊び道具の一部を飲み込んでしまっているケースが殆どです。独特のブラシ状の舌構造も影響しています。遊んだ後に、猫のおもちゃの一部が無くなっていないかなど日常的に確認することも大切です。

そが動物病院:異嗜行動
そが動物病院:異嗜行動

写真は先日、飼い主さんの薬をPTP包装ごと丸呑みしてしまったトイプードルの例です。
飼い主さんはPTP包装をあらかじめハサミで切って小分けにしていました。参考にと同一の物を持ってこられたのですが、とにかく分厚く硬いPTP包装で、切った四隅は非常に鋭くカッターナイフのような感触でした。来院された時には少しは口の中で噛み潰して飲んでいるだろうと思いましたが、レントゲンで確認したところ吃驚。丸呑みです。 食道に刺さることもなく、小さな体でよく飲み込めたものです。穿孔の危険性があるのと前後への移動通過は不可能危険と判断し、この後すぐに開腹手術で取り出しました。ちなみに生後8ヶ月幼犬の話です。

さて、話は変わりますが、今年もあっという間に衣替えの季節となりました。子供の幼稚園の制服もすっかり夏仕様になりました。私の病院は郊外の緑豊かな環境にあるので、この時期は娘達の昆虫採集に付合わされます。虫網と虫かごを持って、まるで昭和の子供スタイルです。彼女達は主に蝶々を取って楽しんでいるのですが、捕まえた蝶々は家に帰って図鑑と照らし合わせ、これだあれだと騒いでいます。もちろん種類が判明すればすぐにリリースしています。ベニシジミなどいろいろな種類を4歳の娘から教えていただきました。他にもトンボやバッタ、ゲンゴロウ、ザリガニ、実は喜んで付き合っている私もどこか笑えます。遺伝かな?

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