犬の常同症~強迫性障害
2008年9月4日
俗にいう問題行動の中にも実に様々なものがあります。
無駄吠え、破壊行動、攻撃行動などは多くの犬にみられ、飼い主さんもしつけの本を見て勉強されたり、あるいは訓練士さんのトレーニングを受けるパターンも多くみられます。
そんな中で、日常生活で見逃してしまいそうな種類の問題行動もあります。常同症=強迫性障害と呼ばれるものです。難しそうな呼び名ですが、症状は実に単純で、極端な繰り返し行動を特徴とします。尾追い行動(自分の尻尾をグルグル回って追い駆ける)、尾かじり、 肢端を舐め続ける行動(舐性皮膚炎)などというと分かり易いと思います。
常同症は、退屈、ストレス、不安、環境の変化、などの精神的な原因で発生するとされています。また、軽微な皮膚刺激の掻痒感が発症のきっかけとなる場合もあります。
治療は、原因の回避と対処になります。なるべくかまってあげたり、注意を他へそらすことが主となりますが、状況によっては抗不安薬を使用する場合もあります。
写真のダックスちゃんは数週間前から度々、尾追い行動・尾かじりをしていたそうです。 そしてある日の朝、何故か床に大量の血液が・・・・。尻尾がなんとなく短い気が・・・・。
何と、尻尾を自分で喰いちぎってしまいました。
来院時には尾が半分程にちぎれており、 骨も露出していました。やむなく、今後のことも考え、断尾手術となりました。
驚くかもしれませんが、この、尻尾を自身で喰いちぎる行為は意外に多く見られます。
我々人間同様、ペットのストレスサイン、見逃さないように注意しましょう。
写真は、術後1週間目の様子です。
話は変わりますが、今年も暑さが厳しい夏でした。
私は休診日には、子供とカブト虫を捕まえに行ったり、汗だくになって公園で遊んだり、崖の上のポニョを見に行ったり、沢山の夏の思い出が出来ました。1日だけ夏休みをいただき、箱根に行き、良い意味で気分も体もリフレッシュ出来ました。
今回は問題行動の話でしたが、皆さんはどのようなストレス発散をしていますか?
時には、頭の中をリセットすることも大切なようです。
何事もバランスよく、今年の終盤も頑張っていきたいと思います。